犬の脚の万年筆

犬が前脚の爪でがりがりと地面に刻み込む日記です

失われた栄誉について

小夜の河岸をとぼとぼ歩いていると

「聖」という語の語源はもしや「日知り」なのではないかという思い付きがふと頭をよぎる

古代の農耕文化において天候を知るものは聖者にも等しい存在だったのではないかと

いつもの拙い連想遊びだとは思いつつ調べると

どうも正解らしい

 

では今日僕がした発見に与えられるはずだった栄誉はどこへ行くのか

河岸の岩の隈にて月想う蟹の

15夜お月様のごときのあぶくに包装され

千年の後、月面に届くのか